診療室よりこんにちは

いよいよ師走を迎え、年々月日の経つのが早く感じられる今日この頃です。
6月の富士山に続き、「和食 日本人の伝統的食文化」が世界遺産登録されそうです。現在の日本の無形文化遺産は、能楽、歌舞伎、人形浄瑠璃文楽、結城紬、京都祇園祭の山鉾行事など21件です。
「食」に関する無形文化遺産として、「フランスの美食術」「スペインやイタリアなどの地中海料理」「メキシコの伝統料理」「トルコのケシケキ(麦がゆ)」の4件が登録されています。
食文化の専門家は和食の特徴として、①新鮮で多様な食材とその持ち味の尊重②バランスに優れた健康的な食生活③自然の美しさや季節の移ろいの表現④正月など年中行事との密接な関わり などを挙げています。
具体的には、①日本の自然の中で生まれた食材や調理法を用いる②だしなどのうまみを生み出す③味噌や醤油などの発酵調味料を使う④盛り付けに季節感がある などの特質があり、平安時代末期に始まり江戸時代には一般に広がったとされる「一汁三菜」のスタイルが基本となり、食文化を豊かにしてきたと言われています。
近年までは、家庭での家族そろっての夕食や、勤め人の昼定食などが日本の伝統的な食文化を支えてきたものの、コンビにのおにぎり・カップ麺やチェーン店の丼ものなどの進出で、伝統も危うくなっています。
「個食」でなく、好き嫌いなく、楽しく、美味しく、よく噛んでより多くの人と食卓を囲みたいものです。